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当センターの研究成果をご紹介します
熱間鍛造に用いられる金型については、その寿命延長を目的とした表面改質(硬化)法としてイオン窒化処理が有効とされています。また、協業組合丹後熱処理センターに導入されたイオンプレーティング装置については、その需要開拓のため新しい薄膜技術の展開、用途展開が求められ、昨年度は冷間加工用金型にCrN皮膜を適用してその効果が認められました。
平成14年度は、イオン窒化処理とイオンプレーティング処理によるCrN皮膜を複合化させることにより、京都府北部地域の鍛造業で多く使用される熱間鍛造用金型への適用を検討しました。
2 方法
金型として、従来の熱処理のままのもの、 CrNコーティング、イオン窒化処理、イオン窒化+CrNコーティングの4種類を準備し、実際に製造現場で実験を行いました。評価方法としては、500ショット毎に抽出した鍛造品と実験を終了した金型について、輪郭形状測定機及びデジタルカメラを用いてその表面状況を測定・観察し比較しました。
3 結果と考察
現場実験で打ち終えた鍛造品の数を表に示します。鍛造品は最終的に抜き工程などを経て写真①右側のような製品になります。
表 打ち終えた鍛造品の数
| 鍛造品の数 | 備 考 | |
| 従来品 | 1,046ショット | 通常~1,500ショット |
| CrN | 4,963ショット | 後半に不良多い |
| イオン窒化 | 5,150ショット | 位置決穴損耗終了 |
| 窒化+CrN | 4,167ショット | 〃(製品面良好) |
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CrN皮膜を単独でコーティングしたものは従来品よりも多く鍛造できていますが、従来の熱処理のままのものよりも形状変化が大きく、初期の段階でCrN皮膜が剥離しその後の金型に影響したものと思われる状況が見られました(図)。
また、イオン窒化処理単独のものについては写真②のように徐々に製品部分の両端がふくらみ、平坦さがなくなる状況が進行しています(写真左)。イオン窒化とCrNを複合化させたものについては、途中金型表面のCrN皮膜の剥離が起こったものと考えられ、以降鍛造品にその状況が転写されていますが、平坦さは保たれています(写真右)。
鍛造品の形状変化の例
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実験後の金型については(写真③)、下型がそれぞれ鍛造品の熱影響を大きく受けているため摩耗の状況が激しく、上型は損耗の状況は比較的緩やかでした。打ち終わり数がそれぞれ違うので一概に比較はできないものの、鍛造品で測定・観察したのと同様の状況を示していました。
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熱間鍛造用金型へ適用した結果、イオンプレーティングによるCrN皮膜については、その処理のみでは金型材との硬度差がかえって悪影響を及ぼすが、イオン窒化処理と複合化させることで摩耗状況は良好となり効果が期待できることがわかりました。 金型の長寿命化については鍛造時の工夫など表面改質以外にも検討すべき要因が多く、今後も研究を継続していきたいと考えています。
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